木工DIYをやめた理由:家具作りはほどほどに

新築した戸建てがあまりに気に入らなくて始めた木工DIYも今年で9年目になります。最近はあれこれ作らなくなりましたが、ついに端材をすべて断捨離して、一旦DIYから卒業することにしました。「木工DIYなんてやっぱりやめようかな〜」「家族に木工DIYをやめてほしい!」という方の参考に、わたしが木工DIYをやめた理由をご紹介します。
目次
家が汚れるor騒音でご近所迷惑になるから
木工DIYで一番問題にされるのが騒音問題ですよね。とくにマンションなどの集合住宅だと、電動ドライバーでのネジ締めでもかなりの音(振動)が隣家に響き渡ります。ましてや、丸鋸やトリマーなんて、「○○日に工事があります。○時間ほどかかる予定です。ご迷惑おかけしますが、よろしくお願いします」と菓子折りもってご挨拶に伺うレベルの騒音です。
我が家は戸建てなので、騒音にそれほど気を使わなくてもよかったのですが、さすがに屋外での作業は気がひけて、室内で窓を締め切って作業をしていました。主にトリマーを使用していたのですが、音もすごいが、木屑がすごい!!室内の一部をカーテンで覆って作業していたのですが、それでもまぁ木屑がふわふわと空気中を舞って、あらゆる部屋の壁にペトリ。。。数年後、ふと壁をハンディーモップで拭いてみたら、うわぁ〜〜〜真っ黄色!!!何年も壁に木屑がひっついていたのかと思うと、室内でのトリマーは厳禁だなと思いました。
お金がかかるから
木工DIYって自分で作るんだから安く仕上がるっていうイメージがあると思いますが、実はものすごーーーくお金がかかります。わたしが作った家具のなかでは、「DIYでモールディングを使った家具の作り方」で紹介した壁面収納が一番費用がかかって10万円超えでした。10万円も出せば既製品でもかなり良質な家具を購入できますよね。
木材だけでなく、工具だって良い物が欲しくなるし、取手やフックだって100均じゃぁ満足いかなくなります。せっかく自分好みに作れるんだから!
趣味なんだからお金がかかってもいいじゃない!っていう考え方もあると思いますし、業者さんにお願いするより自分でやったほうが安いかなっていう場合もあるので、DIYの費用についてはよくよく考えた方がいいなと思います。
木材や工具などの収納にスペースを取るから
木工DIYって道具のあるなしで出来栄えが変わってくるので、どんどん工具が増えていきます。やっぱり手ノコギリより丸鋸のほうがシャーーーーっと早く綺麗にカットできますし、トリマーを使うとプロっぽい仕上がりになります。電動ドライバーだって電池は2個欲しいし、クランプもたくさんあったほうが便利です。
さらに厄介なのが木の端材で、ほんの少しの短い木片でも使えるかも〜と思って捨てられません(実際、ペンキ塗りのときなんかに使うんですよね〜)。短い木片でも集まれば重量があるので、あまり高い場所には収納できず、収納のなかでも一番下(床の上、すなわち一番使い勝手のいい場所)に置くことになります。そんな端材が増えて増えて、一時期、我が家では段ボール3箱もありました。
長い木材も間違えて購入したり、結局使わなかったりして、残っていきます。モールディングなんてネット通販で購入すると送料が高いので少し多めに買ったりしますし、もう家のなかが工事中かっていうぐらい材料だらけになります。
素敵な家に住みたくて始めたDIYなのに、いつしか終わらない工事現場に住んでるみたいになってしまって・・・そのときはDIYにハマりまくっていたので不満はなかったんですけどね。あるとき、強制的に端材の断捨離をせざるをえない状況になって初めて工事現場に住んでいることに気付きました。
引っ越しする可能性があるから
新居に引っ越してから2年半ほどDIYにハマりにハマったのですが、突如として打ち切らざるを得なくなりました。なんと突然、主人に海外赴任の辞令がくだったのです。とにかくもう海外赴任になって何が残念って、もうこの新居に住めない!DIYができない!!ってことでした。そのぐらいDIYにハマっていたんです。
そこから3年、ヨーロッパで暮らしました。そこでもDIYをし、学ぶこともたくさんあったのですが、わたしのDIY熱は急速に冷めていきました。ヨーロッパではDIYが日本より一般的だし、材料も素敵なものがあれこれ手に入るのに、です。ヨーロッパでしみじみと感じていたのは、形あるものは突如として奪われることがある、ということでした。
わたしが新居でDIYにハマっていたときにイメージしていた未来像は、ずっと幸せに同じ家に住んでいる自分でした。でも、ずっと同じ家に住んでいるかどうかなんてわからないんですよね。仕事の都合で引っ越しになるかもしれないし、地震が来て倒壊するかもしれないし・・・。
住む場所が変わることで突然ゼロになってしまい、そこからもう一度作り直そう!と頑張ってみたけれど、なんだかもう頑張れる力が残っていませんでした。わたしにとっては、もう一度最初から頑張れるほどの魅力がDIYにはなかったのかなと思います。
家の嫌いな部分が目につくから
日本に帰国し、3年ぶりに自宅に入って最初に感じたのは「はぁ〜〜素敵な家〜〜!やっぱり良いわ!もう引っ越したくない!!」でした。DIYで自分好みにカスタマイズしていたのは無駄ではなかったのではないか・・そんなふうに思い、またDIYを始めようと決意しました。
そこで、どこをDIYしようかと考え始めたのですが、考えれば、考えるほど、最初の「素敵〜〜!」と思った気持ちが消えていくんです。どんどん自分の家が醜くて、不完全で、どうしようもなくダサく思えてきました。
もともとわたしがDIYしようと思ったきっかけが「気に入らない家をなんとか自分で手直しできないか」というネガティブな思いつきでした。家づくりは失敗したけど、あとで自分で直せないかと考えたわけです。
なので、DIYしよう〜と考えると、家じゅうを見渡して、「あーここが気に入らない、ここを直そう。ここも気に入らない、次はここを直そう・・・」とどんどん家のマイナス面を探し出し、ダメ出しをしていくことになるんです。
「わ〜素敵!」と思っていたはずの家が、DIYしようと思ったせいで「ダメ、ダメ、ここもダメ!」になってしまいました。よかれと思って始めたDIYでしたが、ネガティブのドツボにはまってしまいました。
キリがないから
「気に入らないところがあるんだったらDIYで全部直せばいいじゃない!」って思われるかもしれませんが、これがもうね、本当にキリがないんです。なんせ、一度手直ししたところも気に入らなくなってくるんですよ(笑)。所詮、素人ですから、出来もイマイチですし、そこをまぁ〜こんなもんかーと、作った当初はとりあえず納得するんですが、少し時間がたつと、やっぱりこうすればよかったーーーと後悔の念が・・・。
自宅のDIYってやりだすと終わりがありません。一生の趣味になるといえば聞こえがいいかもしれませんが、一生満足することがないっていうことは、職人(仕事として)でない限り、ただただ苦しいだけなんです。
工具で怪我する危険があるから
DIYはほどほどにしたほうがいいな・・と本気で思ったきっかけは、本職(大工さん)の方から聞いた話が他人事ではないな、と感じたからでした。
その職人さん、仕事中に一度、丸鋸で指を失いそうになる事故を経験したことがあるそうです。実際は、大丈夫だったんですけど、それでもびっくりするぐらいの血が流れて、それはそれは慌てたということでした。
工具での事故、すごく珍しいことではありません。ご近所でも工具での事故で亡くなられた方が二人います。プロでも素人でも、とても危ない機械で、事故の危険性はゼロではないということです。
本当にやりたいことで、危険も覚悟ということであればいいんですけど、私の場合はそこまでの覚悟は全然ありません。間違った使い方さえしなければ大丈夫なのかもしれませんが、DIYしてるとかなり疲れますし、正常な判断ができているのか、自分に自信がありません。
これからDIYをやるにしても、丸鋸はもう使うのをやめようと思っています。ジグソーやトリマーも最小限にしていこうと思っています。
あれもこれもできないから
最終的に木工DIYをやめる決意をしたきっかけは、わたし自身が抱えている「やりたいこと」があまりに多いと気づいたからでした。やりたいことって言っても大したことではないんですよ。たとえば・・・
- ダイエットしたい
- 美容に力を入れたい
- 料理も栄養を考えてしっかり作りたい
- 英語の勉強をもう一度したい
- 家にお花を飾りたい
- ドライフラワー作りたい
- 投資の勉強したい
- 不要なものは捨てたい
- 家事を効率よく回せるように考えたい
- 美容院に定期的に行きたい
などなど・・・本当に大したことじゃないでしょ。なんかさ、そんなのやればいいじゃん、どこが難しいのさ?って感じですよね。
でも、やりたいな、やりたいな〜と思いつつ、全然できないんですよ。かれこれもう何年も宙ぶらりんのまま(笑)。
「本当にやりたいことじゃないから無意識がやらないように仕向けている」とか、心理学の本では書かれていることもありますが、わたしが気づいたのはそれ以上に、やることが多すぎてもう限界!なんだなーということでした。
マルチタスクが得意な方もいるかもしれませんが、基本的に人ってシングルタスクしかできません。特にわたしは頭の切り替えが遅いので、1つのことに集中したら他のことは手につかなくなります。
だから、大事なのは優先順位つけ!!以前、「やりたいことリスト100項目の作り方 40代女性編」なんて記事を書きましたが、100個やりたいことを出すのはいいんですけど、ここから優先順位をつけて、さらに、これからやることを2、3個に絞る必要があります。2、3個に絞った結果、木工DIYは順位が低くて、一旦やめる「やりたいこと」に分類されました。
それでもたまにDIYすると思います
木工DIYはやめる!と決意したので木材の端材は処分しましたが、工具はそのまま残しています。やめる決意はしたものの、必要に迫られてDIYせざるをえないことが出てくるだろうなーと思っているからです。
たとえば、「塗り壁の補修をDIYで!ジョリパットフレッシュでメンテナンス」で書きましたが、外壁の補修を自分でやれば多少は費用を抑えられるかもしれません。自宅ももうすぐ築10年になりますので、メンテナンスが必要な部分が出てきました。そんなときはこれまで培ったDIY技術で自分なりになんとかメンテして快適な暮らしを手にしたいと思っています。
木工DIYをやめようか悩んでいる方へ
木工DIYをやめようかなーどうしようかなーと悩んでいる方、一度自分がやりたいことをぜーんぶ書き出して、優先順位をつけて、木工DIYが何位に入っているかみてみませんか?2位や3位だったら続けたほうがいいし、4位や5位だったら要検討、6位以下だったら思い切ってやめてみるのもいいかもしれません。木材などの資材を処分してしまっても、工具さえ保管しておけば、手軽に再開できるのも木工DIYのいいところです。わたしも将来もし木工DIYの優先順位が上がってきたらまた再開しようかなと思っています。